産経新聞のネット記事で、谷垣禎一元自民党総裁のインタビュー記事「「頑張ろう」の気持ちが大事」を読みました。
谷垣さんは、趣味の自転車を楽しんでいたところで事故で大けがをし、車いす生活となり政治家を引退しました。
今回の記事では、朝起きてから夜寝るまでにどんな生活をしているかを紹介しています。
そこでは、介護ヘルパーや理学療法士が登場して、リハビリと趣味に励む様子が見てとれます。大変充実した生活をしているようです。
その結果として『「頑張ろう」という気持ちも大事』と結んでいます。
確かにそうだなーと思いつつ、この記事は、介護の当事者ではない人たちには共感が得られるけど、当事者にはあまり共感を得られないんじゃないかなと感じました。
私は、当事者ではないですが、親族が介護で苦しんでいる姿を見ました。苦しんでいたのは、時間的、経済的、体力的、精神的、といった全ての面で、公的支援が足りないからです。そのため、相当疲弊していました。
苦しんでいた親族は、普通の生活をしていた時点では経済的には苦労しておらず、むしろ恵まれていた方でした。ところが、家族の一人が寝たきりに近い状態になってしまい介護の助けを借りることになると大変だったようです。介護保険では賄いきれず、預金を取り崩していたみたいです。
そういう感じなので、谷垣さんのように一日に何回もヘルパーに来てもらうことはできず、家族が介護しなければならない状況の方が多く、体力も時間も使い、疲れ切っていました。
介護状態になる人は、始めに何らかの病気で病院に行き入院を経て自宅介護になる人が多いようですが、聞いた話では、「なるべく入院していてほしい」という人も少なからずいるそうです。
そういう訳で、一日3回ヘルパーに来てもらってリハビリにも励む谷垣さんは、経済的にかなり余裕のある場合の理想の介護・リハビリ記だなと思ったところです。