先週、「地下鉄8号線(有楽町線・豊洲-住吉)の計画が進む可能性」と題して、国土交通省の交通政策審議会の議論の状況をエントリーしました。
今日、正式に交通政策審議会から「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」として国土交通大臣に答申されました。
交通政策審議会答申の内容
「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」は、次の内容となっています。
1.今後の地下鉄ネットワークのあり方について
(1)地下鉄ネットワークの重要性について
(2)検討対象と今後の方向性について
2.東京圏の地下鉄ネットワークにおける東京メトロの役割について
(1)東京メトロが担っている役割について
(2)東京メトロに求める具体的な協力について
3.東京メトロの役割を踏まえた株式売却のあり方について
(1)株式売却に当たっての基本的な考え方について
(2)具体的な株式売却のあり方について
詳しい内容は、答申そのものを読んでいただくとして、当サイトで注目していた有楽町線の延伸と都心部・品川地下鉄構想の新設については、進めるべきということで盛り込まれました。
東京メトロの株式売却のことにも触れられていますが、こちらはあまり興味がないので、路線延伸・新線整備のことだけ、紹介したいと思います。
東京8号線の延伸(有楽町線・豊洲~住吉)
有楽町線を豊洲から住吉に延伸する東京8号線に関しては、次のように記載されました。
費用便益比や収支採算性ともに概ね良好な数値が結果として示されており、事業主体の選定や費用負担の調整を早急に進め、早期の事業化を図るべきである。
都心部・品川地下鉄構想の新設
南北線又は三田線を白金高輪から品川に延伸する構想についても、次のように記載されました。
事業化に向けて必要となる施設整備を精査し、具体的なルートを設定するなど、事業の実現可能性の観点から事業計画の検討が進められている。また、・・・・費用便益比や収支採算性ともに概ね良好な数値が結果として示されており、近年の品川駅周辺の開発計画の進展も踏まえると、事業主体の選定や費用負担の調整を早急に進め、早期の事業化を図るべきである。
都心部・臨海地域地下鉄構想
これは言及されると予想していなかったのですが、築地、晴海、豊洲、有明などの臨海部と銀座・東京といった中心部を結ぶ地下鉄路線の新設と常磐新線(TX)との接続についても記載されました。
今後、臨海部の都市づくりとともに、第198号答申において指摘されている常磐新線延伸(TX)との接続も含め、事業化に向けて関係者による検討の深度化を図るべきである。
今後どうなっていくか
交通政策審議会答申「早期の事業化を図るべき」とされたことで、有楽町線の豊洲~住吉延伸と南北線・三田線の白金高輪~品川延伸は、ほぼ方向づけが決定したといっていいと思います。
問題は、延伸のための費用・財源です。東京メトロは財源負担を嫌って新線整備はしないという方針を続けてきました。今回の答申では、財源の支援についても触れられています。
具体的には、昨年法律改正により制度化された独立行政法人人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)による都市鉄道融資に言及しています。答申と同時に出された参考資料の中では、適用事例として「「なにわ筋線整備事業」において、整備主体である関西高速鉄道が財政融資により1148億円を調達」と記載されています。
従来の補助金と組み合わせて支援していくことになると思われます。
鉄道の新しい路線ができるというのはワクワクします。
ぜひ、進めていってほしいと思います。
順番としては、1有楽町線の延伸、2品川延伸、までは進み、臨海部の地下鉄整備は当分はない、という感じですね。