2021年7月2日、「一部商品・サービスの料金新設・改定について」と題して、ゆうちょ銀行が硬貨に関する新たな手数料を発表しました。(2022年1月17日~適用)
これは結構影響が大きいのではないでしょうか。
特に庶民に影響がありそうなのが、硬貨取扱料金の新設 と ATM硬貨預払料金の新設 です。
それぞれ見てみましょう。
硬貨取扱料金の新設
「硬貨取扱料金」は、窓口で硬貨を預け入れるときに、枚数に応じた手数料をとるというものです。
その手数料の金額が、こちら。
1~50枚 | 無料 |
51~100枚 | 550円 |
101~500枚 | 825円 |
501~1000枚 | 1100円 |
以降500枚ごとに | 550円加算 |
かなり高額に感じます。
10円硬貨を100枚貯めて1000円になったところで、ゆうちょ銀行に預けにいくと、手数料550円とられて450円になってしまいます。
また、結構悪質と思える注意書きがあります。
※硬貨枚数算定後に、お手続きを取りやめる場合や、金額を変更される場合も料金をいただきます。
これは本当に悪質で、例えば、自分としては50枚の硬貨を預け入れようとして持っていき計数機にかけたら51枚ありました、なんていう場合、51枚だと手数料がかかるからやめようと思っても、手数料はとられるということです。下手をすると、1円硬貨51枚持っていって数えただけで550円とられるといったことも起こりかねません。
ATM硬貨預払料金の新設
「ATM硬貨預払料金」は、ゆうちょATMで硬貨を取り扱う場合に手数料をとるものです。
こちらも窓口に負けず劣らずなかなか悪質です。
<預け入れ> | |
1~25枚 | 110円 |
26~50枚 | 220円 |
51~100枚 | 330円 |
<払い戻し> | |
1枚以上 | 110円 |
こちらにも悪質な注意書きがあります。
※硬貨を伴うお預け入れで、預入金額が ATM 硬貨預払料金以下となる場合は、お取り扱いできません。
110円未満の預け入れはできないということです。
払い戻しの際に口座の残高が110円未満の場合にどうするのかは書いてありませんでした。
子供や庶民の楽しみを奪う改悪
今回発表された硬貨の取扱い手数料は、子供や庶民がお金を貯めることを阻害するように思います。
子供は、家のお手伝いをして10円とか100円とかの単位でお駄賃をもらい、それがある程度貯まったら郵便局に預けに行く、ということが広く行われています。
また、子供に限らず庶民は、釣銭などを貯めておいて一定の量になったら持って行く、ということをしているのではないでしょうか。
こうしたことは、堅実な金銭管理の感覚を育てるのに大変有益です。しかし、今回のように手数料を取るというのは、こうした行動をしない方がいいということになってしまいます。
硬貨を取り扱うと余計に経費がかかるというのは、理解できます。
これを単なる民間の銀行や他の金融機関が行うのは何にも問題ないのですけれども、ゆうちょ銀行は、子供からお年寄りまで地域の一般人が使う金融機関です。
その金融商品の売買で儲けをあげるとか、手数料で商売するとか、そんなことばかり考えず、存在意義をちょっとは自覚してほしいものです。
24時間テレビでよくあるような、大きな瓶に硬貨を貯めている子供になんて説明するのでしょうか。
この改定は、2022年1月17日からです。家に小銭を貯めている人は、早めに預けに行きましょう。