『倒産続きの彼女』という本を読みましたので紹介です。
著者の新川帆立氏は、東京大学法学部卒業、同法科大学院修了後、弁護士として大手法律事務所に勤務したあと、小説家デビューしたという異色の経歴の方です。
この『倒産続きの彼女』の前には、最近ドラマ化された『競争の番人』や第19回「このミステリーがすごい!」大賞受賞を受賞した『元彼の遺言状』でヒット作を連発していて、だいたい、法律関係のミステリーとなっています。
本作『倒産続きの彼女』も主人公は大手法律事務所勤務の弁護士で法律ネタがたくさん出てきます。ただ、法律ネタと言っても、刑事事件に関わるものではなく、企業法務でよく聞くような内容のものです。
そういう意味で、一般の方にはなじみがないこともふんだんに出てきて、ちょっと難しいかもしれません。ビジネス経験がある人が読むと、面白い作品だと思いました。
ただ、せっかく大手法律事務所の弁護士が活躍するストーリーなのに、殺人事件が起こってしまうというのがいかにも陳腐に感じました。殺人事件がなくても面白いストーリーにできそうだったのに、その点残念でした。