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石田衣良『清く貧しく美しく』を読みました

石田衣良さんの『清く貧しく美しく』を読みました。

石田衣良さんというと池袋ウェストゲートパークで有名になったと思いますが、私は恋愛小説が好きです。

情景をはっきりと想像できる美しい筆致が魅力的です。

さて、今作『清く貧しく美しく』は、就職氷河期で正社員に漏れてしまい、30になる今まで非正規で暮らしているケンジと、人前に出るのが極度に苦手でそのために目立たない仕事をしているヒナという2人が主人公です。

2人は同棲してはいるものの結婚の約束はしていなくて、日々「これでいいのか」ということを自分なりに悩んで暮らしています。

そんな生活が一生続くのかと考えていた矢先、2人にそれぞれ転機が訪れます。

そのために、2人の関係にも微妙な変化が生じますが、それを通じて自分とはどういう人間なのか、どこに向かいたいのか、といったことに向き合うというストーリーです。

ストーリー的には、ある意味ありふれていると思いますが、2人の心の描写を鮮やかに描く素晴らしい文章が、読者を惹き付けます。

私は通勤電車で読んでいて、会社の最寄り駅まで着いても読むのをやめられず、近くのカフェに入って読み続けていました。それほど惹き付けるものがありました。

とてもおススメの一冊です。


清く貧しく美しく (新潮文庫) [ 石田 衣良 ]

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