スーダン情勢が緊迫しているさなか、タイムリーにもこの本を手に取って読んでいました。
いまスーダンでは内戦が激化して、スーダン国内にいる外国人が危険にさらされています。
アメリカは、自国軍隊を派遣して大使館職員と家族を退避させることに成功しています。
米バイデン大統領が発表「スーダンからの米政府職員の退避完了」
2023/4/23(日) 13:18配信
テレビ朝日系(ANN)
アメリカのバイデン政権は、武力衝突が続くアフリカのスーダンから外交官ら政府関係者を退避させたと発表しました。
バイデン大統領は22日の声明で、アメリカ軍がスーダンの首都ハルツームから「政府関係者を救出する作戦を実施した」と明らかにしました。
このような外国において紛争が発生した際に、自国民をどのように保護するかは、国家の最大の関心事だと言えます。
日本の場合は、軍事組織である自衛隊がありますが、法律上紛争地域での自国民保護活動は難しいようです。
現在、海賊掃討のためのジブチの拠点に自衛隊の部隊がいますが、スーダンでどのように邦人を保護できるかは定かではありません。
さて、ちょうど読んでいたのがこの本です。
邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき (新潮文庫) [ 伊藤 祐靖 ]
著者は、自衛隊で特殊部隊を立ち上げた当事者ということで、細部にわたる記述にリアリティがあります。
小説ではありますが、最初の方では、邦人保護に関する法律関係の解説もあるので、豆知識も得られます。
今回のスーダンの内戦の場合は、遠くアフリカの国ということで在留邦人が少ないですが、東アジアの緊張も高まっているので、朝鮮半島や台湾の有事も絵空事とは言えません。この本は、そんな現代に生きる私たちに、示唆を与えてくれる良い本です。