10月31日投開票の衆議院議員選挙の結果が出揃いました。
与党微減、立憲民主負け、共産微減、維新躍進、といった微妙な結果でした。
全くの無風状態で、与野党ともに手ごたえなしの選挙だったと言えるのではないでしょうか。
“風”はありませんでしたが、トピックとなった選挙結果からは、有権者は世代交代を望んでいる、ということが読み取れると考えています。
大物が敗北!というトピックで以下のような結果をみると、与野党問わず、高齢の大物が厳しい戦いだったことが分かります。
甘利明自民党幹事長72歳が太栄志氏(立憲)44歳に小選挙区で敗北(比例復活)
石原伸晃自民党元幹事長64歳が吉田晴美(立憲)49歳に敗北
野田毅元自治大臣(自民)80歳が西野太亮氏(無所属)43歳に敗北
金田勝年元法務大臣(自民)72歳が緑川貴士氏(立憲)36歳に敗北
小沢一郎氏(立憲)79歳が藤原崇氏(自民)38歳に小選挙区で敗北(比例復活)
また、大阪府では、公明党が候補を擁立した選挙区以外は維新が全勝しましたが、当選した維新の候補者は40代・50代が多く、対抗する自民党の候補者よりも相対的に若いことが多かったようです。
今回の総選挙では、コロナ禍がほぼ収束したと感じられる中で、各政党が格差是正や“給付”を積極的に掲げ、政策的な争点があまりありませんでした。
そんな状況で勝敗を分けたのは、「今よりよい生活にしてくれるかどうか」ということを感じられるか、つまり、政治・行政に新しい風を入れられるかどうかだったのではないかと思います。
立憲民主党の枝野代表の当確がなかなかつかず、苦戦したというのも、飽きられている=新しいことを生み出す予感がしない、ということの表れなんだろうと思います。
今回分かったのは、有権者は世代交代を望んでいる、ということです。各政党がこのことをどのように受け止めるかが、来年の参議院議員選挙の勝敗に影響してくるでしょう。
その意味で、各政党が誰を参議院選挙の「選挙の顔」とするかが試金石となると思います。
自民党は、甘利幹事長が交代します。ここで若手を起用できるか。
立憲民主党は、枝野代表が降りるか。現政調会長である泉健太氏(47歳)あたりを持ってこられるか。
共産党は、志位・小池体制を変革できるか。
日本維新の会は、引き続き吉村でいくか。