「江戸東京野菜」って聞いたことありますか?
先日友人から教えてもらう機会があり、興味を持ったのでちょっと調べてみました。
江戸東京野菜のこと
「江戸東京野菜」は、縮めて「江戸野菜」ということもあるそうです。どんな野菜でしょうか。
定義があります
ただ単に東京で作られている野菜、ということではないそうです。
「種苗の大半が自家採種または近隣の種苗商により確保されていた江戸から昭和中期(40年代)までのいわゆる固定種の野菜、または在来の栽培法等に由来する野菜」とJA東京中央会が定めています。
つまり、江戸時代から江戸の人々の食生活を支えてきた野菜たちということです。
東京で作られていても新しく栽培し始めた品種で合ったり、最新の栽培方法で育てたりしていたら江戸東京野菜ではないということです。水耕栽培とかだとダメですね。
伝統的な野菜を東京の人に広く知ってもらうために、2011年からJA東京中央会が江戸東京野菜の呼称を始めました。
江戸東京野菜の種類
現在、JA東京中央会が江戸東京野菜として登録している野菜の種類は、50種類あります。結構たくさんありますね。
その中から、5種類紹介します。
練馬ダイコン(練馬大根)は有名ですね。
江戸時代から盛んに栽培され、明治以降はたくさんや干し大根として多く出荷されたそうです。近年は生産量が減少していますが、知名度は高く、練馬区でも復活をもくろんでいるようです。
「たきのがわおおながにんじん」と読みます。
1メールもある長い根っこが特徴です。
滝野川地区は耕土が深いため根っこが長い品種の栽培に適していたそうです。
江戸の天正時代(16世紀)に現在の江東区あたりでネギ栽培の始まりました。その後、栽培地は隅田川を北上して、足立区や葛飾区で栽培されるようになりました。
「千住ネギ」とも呼ばれます。白い部分が長いのが特徴です。
内藤トウガラシは、江戸時代に現在の新宿付近で栽培されていました。蕎麦が流行していた江戸では、薬味として人気があったそうです。
江戸時代に栽培はなくなったそうですが、2010年に復活。
鷹の爪よりも辛みが優しくて食べやすいそうです。
谷中ショウガも有名な野菜ですね。
普通の生姜はそのまま食べると繊維質が固く、普通は刻んだりすりおろしたりして食べますが、谷中ショウガは柔らかくてそのまま食べられます。
夏の風物詩ともいえるでしょう。
江戸東京野菜の一覧
一応、上記の5種類も含めて、50種類全部載せておきましょう。
練馬ダイコン 伝統大蔵ダイコン 亀戸ダイコン 高倉ダイコン 東光寺ダイコン 志村みの早生ダイコン 汐入ダイコン(二年子ダイコン・時無しダイコン) 品川カブ・滝野川カブ(東京長カブ) 金町コカブ 下山千歳白菜 ごせき晩生小松菜(伝統小松菜) 城南小松菜(伝統小松菜) シントリ菜(ちりめん白菜) 青茎三河島菜 のらぼう菜 奥多摩ワサビ 砂村三寸ニンジン 馬込三寸ニンジン(馬込大太三寸ニンジン) 滝野川大長ニンジン ミツバ(小山田ミツバ・白ミツバ) アシタバ 内藤トウガラシ 寺島ナス(蔓細千成ナス) 雑司ヶ谷ナス(改良中生山ナス) おいねのつる芋 治助イモ(ジャガイモ) 馬込半白キュウリ(馬込半白節成キュウリ) 高井戸半白キュウリ 白岩ウリ(シラヤウリ) 本田ウリ 小金井マクワ 東京大越ウリ 鳴子ウリ・府中御用ウリ 内藤カボチャ・角筈カボチャ・淀橋カボチャ 雑司ヶ谷かぼちゃ 滝野川ゴボウ 渡辺早生ゴボウ 砂村一本ネギ 千住一本ネギ 拝島ネギ 早稲田ミョウガ 谷中ショウガ 八王子ショウガ 東京ウド タケノコ(孟宗竹) 三河島エダマメ 川口エンドウ 八丈オクラ あめりか芋 足立のつまもの
それぞれの詳しいことは、JA東京中央会のHPでも紹介しています。
伝統の野菜を食べてみましょう
江戸時代から栽培されている江戸東京野菜を紹介しました。
練馬ダイコンや谷中ショウガは有名ですが、ほかにも伝統的な野菜が東京にあるんですね。調べてみてよかったです。
京野菜とか鎌倉野菜など全国的にも有名な野菜に比べるとまだまだ知名度は高くないですが、徐々に東京都内でも江戸東京野菜を売りにしてメニューを作っている飲食店も出てきているようです。
江戸東京野菜の文字を目にしたら、遠く江戸時代の人々に思いを馳せて、おいしくいただくことにしましょう。