吉本隆明さん死去=戦後思想界に大きな影響(jiji.com)60年安保で新左翼のカリスマ的存在となるなど、戦後思想界に大きな影響を与えた詩人で評論家の吉本隆明(よしもと・たかあき)さんが16日未明、肺炎のため東京都文京区の病院で死去した。87歳だった。東京都出身。
幼少から文学に親しみ、1947年東京工大卒。会社務めをするが、組合活動で退職。この間、詩を書き続け、詩集「転移のための十篇」で54年に「荒地」詩人賞を受賞した。
評論活動では、55年に文学者の戦争責任問題を提起。戦争中に転向した左翼文学者・知識人が、戦後再び左翼に戻ったことを厳しく批判するとともに、既成左翼を「擬制」として退けた。61年に雑誌「試行」創刊後、「言語にとって美とはなにか」「共同幻想論」などを発表してこうした立場を一層進め、70年代にかけての新左翼学生運動の精神的支柱といわれた。60年安保闘争に参加し、逮捕された経験もある。
国家は共同幻想だと主張した際、フロイトや柳田国男らの思想を踏まえつつも個性的解読を行ったように、独自の理論を構成していく手法が特徴的。転向をめぐる花田清輝との論争など、日本の知識人には珍しい”戦闘的”思想家でもあった。
80年代は「マス・イメージ論」などでサブカルチャーに目を向け、大衆の成熟という観点から高度消費社会の擁護に転換。ファッション誌のモデルに登場するなどして論議を呼んだ。96年、海水浴場でおぼれて入院した後は、リハビリや介護などの問題についても発言するようになった。
長女は漫画家のハルノ宵子さん。次女は作家の吉本ばななさん。
吉本隆明と言えば、泣く子も黙る戦後思想界の大物で、いろんなところで名前を聞きました。
最近(といっても、もう10年以上前)では、オウム問題でも名前が挙がりました。
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