2つの蒲田駅結ぶ「蒲蒲線」設置検討へ 東急電鉄(asahi.comから引用)
東京急行電鉄蒲田駅(東京都大田区)と京浜急行電鉄蒲田駅を結ぶ新路線「蒲蒲(かまかま)線」の設置を、東京急行電鉄が検討していることがわかった。東急電鉄が京急電鉄に乗り入れて羽田空港に接続することで、外国人客の取り込みをねらう。15日までに投資家説明会などで、蒲蒲線建設を本格的に検討し、国などに支援を求める考えを示した。両駅は約800メートル離れており、利用者からは、乗り換えに「不便」などの声が上がっていた。国は建設に前向きで、大田区が整備の効果などを調べていた。
ただ、京急と東急は車輪の幅が違うため、幅を変えられるフリーゲージトレインなど新車両の導入が不可欠だ。東京都など関係者の合意も必要で課題は多い。
東急電鉄では、12年度にも東京メトロ副都心線と東急東横線が直通運転を開始するため、東急多摩川線を経由して京急蒲田駅に乗り入れられれば、池袋、新宿、渋谷と羽田空港を直結できる。
東急は目を覚ますべきだと思います。
まず、以下の事実を認識すべきでしょう。
- フリーゲージトレインは日本では実用化されておらず、開発費用が莫大になる。
- ちなみに、ここでフリーゲージトレインの話が登場するのは、東急の線路幅が1067mm、京急の線路幅が1435mmとなっていて、車輪の幅を変えれば走れるようになると考えられているからです。
- しかしながら、別の問題も。京急の羽田空港国際ターミナルでは、京急路線で初めてホームドアが設置されたため、羽田空港国際ターミナルに乗り入れる車両は、すべてホームドア対応の車両(2扉車・3扉車)となり、4扉車は運用が中止されました。
- 一方、東急側の車両はというと、副都心線乗入れ対応となると、4扉車となるはずです。現在の副都心線の車両は4扉車です。
- なので、副都心線から渋谷、多摩川を経て蒲蒲線を使って京急に乗り入れる場合、ホームドアの改修も必要となるはずです。
- 所要時間がほとんど短縮されない。例えば、
- 現在、新宿三丁目~渋谷~多摩川は約30分。
- 2012年に始まる直通運転になってもおそらく25分くらい。
- 多摩川~蒲田は10分。蒲蒲線が開通したとして3分+。京急蒲田~羽田が約8分。
- 合計すると、新宿三丁目~羽田が約45分となる。
- でも、品川での乗換1回で、新宿~(山手線)~品川~(京急)~羽田が約45分。
- 天王洲アイルでの乗換で、新宿~(埼京線)~天王洲アイル~(モノレール)~羽田も約43分。
つまり、蒲蒲線を作っても、おそらく時間的な優位性は得られず、現状では1回乗換しなければならないところを乗り換えなしとなる利便性を得るだけです。でも、JR→京急orモノレールの1回の乗換ルートはほとんど恒常的に運行されていますが、”(東武/西武→)副都心線→東急東横線/目黒線→多摩川線→蒲蒲線→京急”というルートは、ダイヤ的にも車両的にそんなに頻繁に運行できないはずで、乗換なしという利便性を減退させます。
- 『乗り換えに「不便」』という利用者の声は、本当にあるのか疑問。あるとしたら、その利用者がおかしい。
- 東急及びJRの蒲田駅と、京急蒲田駅は、「蒲田」という地名が入っているけど、乗換をするような”同一駅”ではない。
- 蒲田~京急蒲田は約800mということで徒歩で10分です。
- 新宿~代々木間も約800mとなっていますが、新宿と代々木を徒歩で乗り換える利用者はいないでしょう。
- 東京駅の京葉線ホームと他線のホームとの距離が同じくらいあり、乗換にものすごく不便ですが、不便ながらもここで乗換が行われるのは、同じJR内で改札を出ないだからです。
- つまり、そもそも全く別の駅と認識すべきものです。
- 池袋、新宿、渋谷は、外国人の需要がほとんどない。ビジネス客は、ほとんどが丸の内、大手町方面だし、観光客は秋葉原、今後はスカイツリーである。
どうでしょう。蒲蒲線にはほとんど建設するメリットがないというわけです。
それでも建設しようとするのには何か理由があるのでしょうか。
大田区が区役所隣に鉄道用地を確保しちゃっていることとも関係があるのでしょうかねー。
ん、でも、東横線で横浜方面に乗り入れるならそっちの路線の人は便利かも。でも、多摩川線から横浜方面はだめか・・・