スマトラ沖地震による津波の被害が広がりを見せています。
各国政府の調べによると被害状況(死者数)は、次のとおりです。
インドネシア | 94,000人 |
スリランカ | 29,000人 |
インド | 9,000人 |
その他 | 140,000人 |
恐らく今後も捜索活動が進むにつれて死者の数は、一段と増えると予想されますが、注目すべきは、スリランカの状況。
スリランカでの津波被害が最もひどいのはポロナルワ地区。
この地域は、政府の支配が及んでおらず、反政府武装勢力のタミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の支配地域となっています。LTTEは、タミル人政府の樹立、スリランカからの独立を求めて長年、政府に対して武装闘争を繰り広げてきた勢力です。
今回の津波被害に際して、スリランカ政府は非常事態のため武力闘争を中断し、協力して捜索活動や被害者支援を行うことを提案しています。現在のところLTTE側から正式な回答は無いようですが、LTTEも地域住民のための組織であるため、政府の要請を受諾する可能性は高いと思われます。
当然ながらこれをもって、即座に内戦状態を収束することは不可能でしょうが、ぜひとも内戦終結の起爆剤としてほしいものです。
*キーワード:タミル・イーラム解放のトラ
スリランカ北東部に居住する少数民族タミル人の独立国家「イーラム国」の建設を求め、過激な武力闘争を繰り広げる「タミル・イーラム解放のトラ」。1972年の結成以来政府との停戦、決裂を繰り返しながら、その活動は無差別テロなどへとエスカレートしている。